飲食店を開業するためにはどんな資格や届け出が必要なのでしょうか?
ここでは、飲食店開業に必要な資格や申請、それに伴う費用や罰則についてもあわせて詳しくご紹介します。
~飲食店開業に必要な資格~
実は、飲食店開業に調理師免許は必要ないのです。
必要な資格は以下の通りです。
・食品衛生責任者
飲食店の営業に欠かせない資格です。
食品営業許可を受けるために必要で、必ず各店舗に1名配置する必要があります。
各地域の自治体や保健所に行って1万円程度の受講費と一日の講習を終えたあと、自治体に申請することで取得可能です。
また、調理師や栄養士の資格を持っている場合は、講習を受講せずに食品衛生責任者となることができます。
・防火管理者
店舗または建物全体の収容人員が30人以上の飲食店に設置義務があります。資格区分が、延べ床面積が300平米以上の場合は「甲種」、300平米未満の場合は「乙種」とわけられており、どちらも各地の消防署などで講習会を受けて取得することができます。費用は5千~1万円程度です。
防火管理者は、防火管理業務を適切に遂行する「管理的、監督的地位」と、防火管理に必要な「知識・技能」を有している必要があります。
~飲食店開業に必要な申請~
・食品営業許可申請
店舗完成の10日~2週間ほど前に、保健所に申請する必要があります。
どの自治体の保健所でもできますが、管轄の自治体が定める施設基準を満たす必要があるので、各都道府県の「食品衛生法基準条例及び食品衛生に関する基準及び営業の手続等を定める規則」を確認しておきましょう。
・防火対象物使用開始届出書
建物の使用開始7日前までに消防署に届け出る必要があります。
工事を伴う場合は着工7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」も必要になります。
・防火管理者選任届
店舗または建物全体の収容人員が30人以上の場合は、営業開始までに消防署に届け出る必要があります。
・火を使用する設備等の設置届
厨房設備、給湯湯沸設備、温風暖房機などを設置する場合は、設置5日前までに管轄の消防署に届け出る必要があります。
・労災保険、雇用保険の加入手続き(従業員を雇う場合に必須)
労災保険は、保険関係の設立した日の翌日から10日以内に労働基準監督署にて手続きを行う必要があります。
雇用保険は、雇用日翌日から10日以内に公共職業安定所(ハローワーク)にて手続きを行う必要があります。
・社会保険の加入手続き
法人の場合には、健康保険、厚生年金、介護保険は社長一人の会社でも加入義務があります。 従業員を採用する場合は、雇用保険と労災保険は一人でも必須です。
個人事業主であれば4人までは任意ですが、それ以上であれば必須となります。
加入義務の事実発生から5日以内に、年金事務所にて手続きを行います。
・個人事業の開廃業等届出書、青色申告承認申請書(個人の場合)
個人事業を開始する場合は、開業から1か月以内に納税地の税務署に開廃業等届出書を届け出る必要があります。
青色申告承認申請書(任意)は、申告をする年の3月15日まで(1月16日以降に開業の場合は2か月以内)に申請します。
・水質検査成績書
水道水以外の井戸水や貯水槽の水を使用する場合は、食品営業許可申請時に水質検査成績書を提出する必要があります。検査項目などの詳しい情報は、管轄の保健所に確認してください。
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
午前0時以降も酒類を提供する場合、営業開始10日前までに管轄の警察署に届け出る必要があります。
届け出をせずに営業すれば、風営法違反で摘発されてしまい50万円以下の罰金となります。
まとめ
このように様々な申請がありますが、申請手続き等は行政書士に依頼することができます。手数料を払い特定の書類だけ依頼することもできますが、セット料金でまとめて請け負ってくれる事務所もあります。
開業したものの、必要な資格や申請ができていなかった!なんてことのないよう、不安なことや疑問があれば、届け先や開業経験者に聞いて解消しておきましょう。