間借り営業は、手軽に開業できるスタイルとして有名です。多くのメリットがありますが、きちんとした店舗運営ができなければ当然失敗してしまいます。そのため、毎月利益を上げることができるよう慎重に取り組む必要があります。
また、店舗を運営する上で重要なことは、コストの割合です。では、どこにどの程度のコストをかけたらいいのでしょうか?今回は、そんなコストバランスの考え方に関してご紹介したいと思います。
1.間借り営業におけるコストの内訳について
飲食店の間借り営業における主なコストの内訳は、以下のようになっています。
・家賃
・人件費
・仕入
・雑費
飲食店を運営する場合は、最低でもこれらのコストがかかります。また、重要なのはどの項目にどの程度のコストをかけるかです。この点は、想定される収益も考慮した上で決める必要があります。
一例としては、家賃に20%、人件費に20%、仕入に30%をそれぞれかけ、残り30%の利益を見込むという形です。
2.無理に利益を大きくする必要はない?
まずは、間借りを利用しなかった場合を考えてみましょう。例えば、一般的な飲食店の開業をするにあたって600万円を使用し、2年で元を取るという計画を立てたとします。この場合、年間300万円の利益が必要になるため、300万円÷12カ月=25万円の利益を月々出していく必要があります。仕入れや人件費などを差し引いて25万円の利益を出すとなると、なかなか大変そうです。そうなると、「利益を出すために、コストをなるべく削減しないと……」ということに。
その一方、間借り営業であれば、開業にあたっての初期費用がそもそも少なくなります。店舗を借りるという形になるため、仮に1日当たりの賃料が3,000円だったとすると、月当たり10万円です。最初に賃料の3か月分を支払う必要があったとしても、30万円で済みます。その程度の金額であれば、「元を取らないと!コストを削減して利益を上げないと!」と無理に焦る必要もなく、必要な部分にコストを使って、余裕のある店舗運営が出来そうです。
3.営業の性質を踏まえて抑えるところを抑えよう
もちろん、無駄にコストをかけていいというわけではありません。なるべく利益を上げることが望ましいため、抑えられるところはしっかり抑えていくべきです。
たとえば、宅配を専門とするゴーストレストランを展開する場合、安定した宅配のために一定の人件費がかかります。その分をカバーするために、なるべく賃料が安いお店を借りることなどが一つの方法です。そもそも、宅配専門であれば、必要なのは厨房くらいです。よって、広々とした店舗を借りる必要はなく、コストを抑えやすいと言えます。
このように、営業の性質を踏まえ、うまくコストを抑えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
間借り営業はとてもメリットの多い営業形態です。ただ、コストの割合をよく考えないと、安定した利益を出せない可能性もあります。成功するためには、どこにどれだけのコストをかけるか、をしっかりと考えておく必要がありそうです。